日本レストラン業界

英国レストラン事情

英国でのレストラン事情はいわゆるフィッシュアンドチップス、パブ、カフェのような英国料理レストランの他はピザやパスタなどのイタリア系レストランが多く、その次に中華料理レストランとインド料理レストランが続きます。タイ料理、メキシコ料理、ケバブに代表されるギリシャやトルコ料理なども人気です。
英国の料理がおいしくないという評判は、レストランなどで外食する習慣が日本やフランスなどと比べて比較的少なく、素朴な家庭料理を食べることが中心であったことに寄ります。しかし、テレビの料理番組、特にロンドンにおける国際的な食文化の波及によりレストランビジネスは発展してきています。

日本レストランのオーナーについて

英国の日本食レストランは日本人以外がオーナーのレストランが多いです。ビッグ4と英国の外食業界では呼ばれるYo Sushi, Itsu, Wasabi, Wagamamaは日本の資本ではありません。

中華料理は英国では飽食気味であること、韓国料理は同じ肉料理主体の英国ではインパクトが弱いため、中国人や韓国人が日本料理屋を出すケースが多いようです。韓国人が経営する日本料理店はフルレンジの料理を出すところが多く、メニューにキムチとビビンバ丼など韓国料理が少し含まれています。

日本レストランビジネスの傾向

手っ取り早いビジネスは寿司をテイクアウトで売ることのようです。出前インターネットで有名な会社Just Eatなどのサイトを見れば、この手の質の低い寿司屋がひしめいています。大手スーパーマーケットはすでにランチ用の寿司をかなり前から販売していますが、冷蔵カウンターの作り置きのパッケージの寿司は飯がカチカチになっており質の低いものでした。しかし、高級スーパーのウエイトローズが寿司バーを多くの店舗に2017年から導入を始めました。これは店の中にスタッフを置いて握ったり、巻きずしを作ったりするものであり、日本食のすそ野が広がったことが見える現象であると思います。

日本食レストランを出す際の注意点向

和食もユネスコ無形文化遺産に指定されたので、日本人だけのものではないと言えますが、質の悪いものや日本食ではないものを日本食と呼ぶのは日本人としては閉口です。いわゆるビッグ4のメニューは特にItsuやWagamanaなどは英国人の嗜好に迎合した味に変えており、具だくさんのこってりした無国籍料理のような味になっています。
日本人が経営する日本料理レストランにおいては本物を出すという戦略をもって行っているところが多いようですが、英国人の嗜好に迎合したメニューにするというのはひとつの方法です。

また高級レストランを出さないのであれば、高級バーガー、高級ホットドッグ、ラーメンなど一つの芸に秀でた単品を出すようなレストランが人件費や費用を抑え、メディア戦略を容易にし、客の回転率を上げ、低価格競争に加わらないことになるので良いと思います。
レストランはどのような客層がつくかで勝負が決まりますので、立地条件は特に重要です。またレストランの経費では間違いなく地代家賃と事業税という土地関係の費用の割合はかなり高いです。ロンドンの地価は高く、一流物件は競争率が高いので、潤沢な予算と準備期間が必要であると思います。
英国EU離脱により、この業界は特に人手不足が予想されておりますので、人材確保と費用上昇については要注意です。

市場における主たるプレーヤー

英国のレストラン関係の会社で日系企業にとって参考になると考えられる会社は以下の通りです。移民の歴史のため、中華料理レストランとインド料理レストランは小規模なものが多く、有名なチェーンレストランはありません。

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