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英国EU離脱 

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英国EU離脱 (ブレクジット)については、3番手の政党である民主自由党(Liberal Democrat)が反対しているものの、保守党と労働党は基本賛成しており、保守党が2017年6月の選挙で大勝すると予測されているため、英国EU離脱は予定通り実行されると考えられています。

メイ首相は2017年3月29日に2年以内にEU離脱する旨のレターをEUカウンシルに提出しています。

ロンドンで地下鉄に乗られて感じられるのは英語以外の言葉が飛び交い、アングロサクソン系英国人が少数派ではないかと想像できるぐらい国際的であることであると思います。英国EU離脱のきっかけのひとつとなったのは、EUが拡大してポーランドやルーマニアなどから経済移民が大量にやって来て、不動産価値高騰に沸く建設業界に英国人を出し抜く形で働き始め、賃金相場が崩れたことがあります。

英国は米国と同様に所得や資産において「持てる者」と「持たざる者」の差が大きい社会です。日本の大企業の社長は普通の社員の数倍程度、数千万円の報酬を取っていることが大多数ですが、英国の大企業の社長はストックオプションやボーナスを入れれば数十億円の収入をもらっている場合は稀ではありません。英国では賃金が毎年自動的に増加しない仕事についている人が多く、長年雇用される保証もない仕事が多いので、恵まれない人達にとっては経済移民は脅威です。

新都心という位置づけのカナリーウォーフで働かれている方は、高層ビルが建ち並ぶビジネス街から少し出ていただければ、周辺は貧困の印が痛々しい住宅地となっているのがわかると思います。

イングランド北部の伝統的な産業を中心とした経済力とロンドンを含むイングランド南部の国際経済と直結した産業の経済力の差異はかなりあり、不動産の価値などからそれは顕著に見て取れます。「持てる者」側の企業は専門職から単純労働者までを含めた人手不足と賃金高騰を心配しています。

2016年6月23日の英国EU離脱選挙は最後までEU残留の投票者が多数派であると考えられていましたが、EU離脱派が僅差51.9%で勝ちました。EU離脱派の多数はイングランド北部、中年以上の年齢、教育水準が低め、非熟練労働を行っている人たち、英国における「持たざる者」です。この傾向はアメリカのトランプ支持者やフランスの国民戦線ルペン候補者の支持者においても顕著です。民主主義においては社会的弱者の一票と強者の一票の価値は同じですから、この「持たざる者」が主導する内向き傾向はいろいろな国で顕著である続けるのではないかと思われます。